働き方・生き方
BUSINESS SKILLS COLUMN LIST ビジネススキル
【書評】上司力20―部下に信頼される20の法則|江口克彦 (著)|東洋経済新報社 – ノビテクマガジン編集部の本棚
江口克彦先生の「上司力20 部下に信頼される20の法則」をご紹介いたします。
まず、江口先生をご紹介させてください。
松下電器(現:パナソニック)において、あの松下幸之助の下で長年お仕えされ、PHP総合研究所(松下幸之助が創設)の代表取締役を務められ、松下哲学、松下経営の伝承者として、多くの著作、講演活動をされています。
また、各分野の多くの専門家、政治家などとの交流の中、それらの識者からたくさんの声を受け、参議院議員として国政でもみんなの党最高顧問として活躍されました。
民間、政治の世界で多くのマネジメント経験をされる江口先生が言われる”部下に信頼される上司力”とは?
この種のリーダー、人材マネジメント系の書籍は数多くありますが、どんな違い、特徴があるのかという思いの中、読んでみました。
Amazonへリンク
上司力20―部下に信頼される20の法則
江口克彦 (著)|東洋経済新報社
ページをめくってみると、”まえがき”から、江口先生の政治の世界での回顧で始まります。所属されていたみんなの党における、党の顛末を受け、改めて、組織の発展に大事な要因は、「目に見える要因」と「目に見えない要因」とに分けられると語っています。その中でも、「目に見えない部分」の大切さを痛切に感じられたとあります。
松下幸之助の経営哲学とご自身の経営経験、そして政治という特殊な世界での経験を通して伝える、下に列挙した20の法則は、他の同系の書籍と大きな差はないように感じられますが、本文を読んでみると、随所に松下幸之助氏のエピソード、ご自身の経験談などが多く、重厚感と説得力が違いました。
- 夢を示して誇りを持たせる
- 努力の方向を明確に示す
- 口先ではなく、心でほめる
- 熱意を見極め評価する
- やらせて、潜在能力を引き出す
- 尋ねてほめて育てる
- 信頼して仕事を任せる
- 「能力」と「人間」の評価を分ける
- 自分より優秀な部下をつくる
- 本気で叱る
- 雑談で伝える
- してみせて、やらせる
- 情報を共有する
- 気軽に声をかける
- 目を見て話をする
- 与える仕事の意義を教える
- 繰り返し思いを話す
- 心のなかで手を合わせる
- 「女性」として扱わない
- 強運を身につける
松下幸之助は3年近くも毎朝、会社の目指すべき考え方・思いを社員に繰り返しを語り続け、松下幸之助の想いがどんどん社員の心のなかに沁みこみ、社員も幸之助と同じ強い想いを感じるようになったというエピソードがあります。そして、”夢を示す”ことの大切さ、「大きい山の頂上を目指すべきで、峠の茶屋で満足することがゴールではない」とも江口先生は語っています。
夢とか思いとか、少し恥ずかしく思ってしまうかもしれませんが、このことを理解して上司力20の法則を読むと、一つ一つの章が心の中に沁みこんできます。上司が部下から信頼され、組織を発展させるための考え方、メンバーとの信頼関係など上司としての心得を教えてくれる必読の書です。
Amazonへリンク
上司力20―部下に信頼される20の法則
江口克彦 (著)|東洋経済新報社
最後に江口先生は、「能力、先見性、判断力、実行力、どれを取っても欠かすことのできないもの。最終的にもっとも大切なのは、人間的魅力ではないかと思う」と語っています。
講師への講演依頼はノビテクマガジンで!
松下幸之助の薫陶を受けた経験から、経営、人材育成に関する講演ができる株式会社江口オフィス代表取締役/経済学博士
江口克彦 講師のプロフィールはこちら